REPORTvol.4
シリーズ【賢者の推し店】3つの広島名物が合体! 牡蠣づくしのお好み焼き、の巻
“ 牡蠣を乗せるだけじゃなく、牡蠣のダシを大量に麺に和える「本気の牡蠣お好み焼き」なんです! ” (牡蠣食う賢者・うえむらちか)
2025年秋冬、Season6に突入した「牡蠣食う研」。報道によると、広島では養殖牡蠣の大量死が伝えられておりますが、今シーズンも、いやむしろ今シーズンだからこそ!みんなで牡蠣を食べて広島の牡蠣関係者の皆様を支えたい。この企画では、牡蠣を愛する広島の著名人の方々や食にまつわる仕事をされている15名の皆様を「牡蠣食う賢者」に認定。賢者が推す「牡蠣がおいしい飲食店とその料理」をドシ!ドシ!!ご紹介して参ります。
「広島名物は何を食べよう?」というアナタに
これ食べたらコンプリート!と言える一品
今回ご登場いただく牡蠣食う賢者は、広島でタレント・女優・小説家として活動するうえむらちか様でございます。
牡蠣は昔から好きで、東京にいた時もオイスターバーとかに通っていました。実家から定期的に牡蠣を送ってもらって、一人暮らしの部屋で友達とカキ鍋をしたりもしましたね。広島に帰ってきてからは一層、牡蠣は日常食になりました。江田島で水揚げや牡蠣打ちの体験をさせてもらったのもいい思い出です。私は『おこのみやきソング』という歌を歌わせてもらうほどの“お好み焼き好き”でもあるので、牡蠣とお好み焼きのドッキングはたまらない組み合わせです。
牡蠣食う賢者その4 うえむらちか 安芸郡海田町出身。女優、タレント、ブッキュレーター、カープ女子。小説『ヤヌス』『灯籠』『カープ女子』、漫画『カープごはん』など著書も多数。広島ホームテレビ『ピタニュー』(月~金曜 16:40~)金曜コメンテーター、RCCラジオ『うえむらちかと加藤ひさつぐのラジスタジアム おこのミックス』(水曜23:30〜24:00)出演中。
と、うえむら賢者が熱く推すのがこちら!
鉄板焼き お好み焼き『のっく』広島本店の、こぼれ牡蠣と和牛コウネの半熟ネギ玉お好み焼き
広島のテレビ・ラジオはもちろんモデルとしても活躍するうえむら賢者。「マツダ スタジアム」で試合がある日はほぼ球場にいる生粋のカープ女子であり、広島グルメにも人一倍詳しいお方です。そんな賢者に牡蠣の推し店をお聞きしたところ、返ってきた答えがなかなか個性的なこちらのメニューでした。しかも、中心部の繁華街ではなく、どちらかというと住宅地ともいえる場所。うえむら賢者が、このメニューを激しく推す理由とは?
うえむら賢者
「『のっく』を教えてくれたのは、お好み焼き愛好家のタっちゃんなんです。私は定期的にタっちゃんと一緒に珍しいお好み焼きを食べに行ってまして、その中でここに初めて来たのが忘れもしない2025年9月3日なんです」
お好み焼き愛好家・タっちゃんとは、TBS系『マツコの知らない世界』にも出演した、広島のお好み焼き界における“令和のカリスマ”。年間600枚以上のお好み焼きを食べる「現代の広島お好み焼きの生き字引き」です。初訪問の日付まで覚えているのはなぜかというと…。
うえむら賢者
「あの日は『マツダ スタジアム』でDeNA戦があって、試合前にここでウルトラチーズっていうお好み焼きを食べたんです。牡蠣とコウネのお好み焼きは、テイクアウトで焼いてもらって、球場に持ち込んで食べたんですよ! そうしたら、牡蠣のボリュームもすごいし、そばからも牡蠣の香りと旨味がこみ上げてくるし、最高の観戦体験ができたんです! しかも試合展開は大瀬良投手と東投手の白熱した投手戦で、2対1のロースコアを制した逆転勝ち! このお好み焼きは、忘れられない私の勝負メシでもあるんです!」
広島名物お好み焼きに広島県産牡蠣をトッピングするというアレンジは、多くの店で見ることができます。しかし、ほとんどは「鉄板で焼いた粒牡蠣をONする」というもの。『のっく』の調理方法は、それとは一線を画しています。まず、牡蠣を鉄板ではなくフライパンで煮焼きに。そこには牡蠣のエキスが大量に抽出され、沸騰する中でその濃度を増していくのです。
鉄板では同時進行でお好み焼きが焼かれていきますが、フライパンで濃縮された牡蠣のエキスは、そばにすべて合わせられ“和え麺”のようになって焼かれます。つまり、乗せられる牡蠣の粒だけではなく、そば全体…いえ、お好み焼き全体が牡蠣の風味に支配されるというわけなんです。
賢者が感じた“牡蠣の旨味があふれるお好み焼き”という印象は、ここから生まれているんですね。
廿日市市「島田水産」の牡蠣
『のっく』では、廿日市市「島田水産」の牡蠣を使っています。「島田水産」は創業300年を超える老舗で、長年、広島県民の愛してきた牡蠣を提供し続けています。
「実は『島田水産』との出会いは、RCCテレビの『イマナマ!』なんです。番組出演時に田村友里アナの企画で“広島名物を使ったお好み焼き”を作ることになって、初めて『島田水産』の牡蠣を食べて、こんなに美味しいのか!と衝撃を受けました」
と、オ-ナーシェフの横山 寛さん。牡蠣の大きさと味の濃さに加え、冷凍技術の高さにも惚れ込んだといいます。仕入れる際にはまとめて10キロ単位で購入するほど。いまでは来店者の約半分が、近くにある「グランドプリンスホテル広島」の宿泊客で、広島旅行の思い出にと人気を博しているそうです。1枚4048円~という価格は割高に感じますが…。
「実は2014年にオープンした頃、一番安いお好み焼きは600円でした。でもお客さんを迎えるうち、次第に広島らしいメニューを出していきたいと思うようになって。そうなると食材も厳選しますし、特に牡蠣は多く乗せると価格も上がってしまいます。正直葛藤はありましたが、お客さんが皆さん非常に喜んでくれるので、今では自信をもって提供できています」
お好み焼き以外の牡蠣料理は?
近年、広島のご当地グルメ「ウニホーレン」に似た調理法で「牡蠣ホーレン」を提供する店が増えています。ここ『のっく』もそのひとつですが、目玉焼が添えられているのがうれしいポイント。牡蠣と一緒にホーレン草を炒めるので、こちらも牡蠣のダシがホーレン草によく絡みます。また、ホーレン草の苦みが牡蠣の味わいとマッチして、食材の相性としても非常にバランスが良いのです。
「牡蠣の粒の大きさは、その店のおもてなし精神の大きさに比例する」なんて諺が広島に古くから根付いている…ということはありませんが、“少しでも美味しい牡蠣を食べてもらいたい”という思いは料理の端々から感じられます。
うえむら賢者
「見た目のインパクトに目が行きがちですが、このお店の料理へのこだわりはすごいんです。お好み焼きは油もラードも使わず、豚肉から出る脂だけで焼いています。このメニューでは卵を3個使用しますが、最後に乗せる半熟玉子は品種を変えて、高原鶏を使っています。さらに、牛コウネは宮崎牛を、ネギは東広島市のサムライねぎを。ここまで食材選びに気を配るのはなかなかできないことだと思います」
繁華街から離れていますが、路面電車なら歩く距離はさほどありません。観光客の来店も大歓迎の店なので、訪問前に一本電話をしてから向かってみるといいかも!
執筆:加藤ひさつぐ 撮影:中野一行
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今回の牡蠣食う研究
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15人の「牡蠣食う賢者」が愛する、広島の牡蠣料理店を紹介したい!