REPORTvol.1
シリーズ【賢者の推し店】自称「広島一、牡蠣が好きなアナウンサー」が選んだ、牡蠣+コウネのハイブリッド丼、の巻
“ 牡蠣の濃厚な味にコウネの脂が加わって…何でしょう、もう、絶妙です、絶妙!! ” (牡蠣食う賢者・馬場のぶえ)
2025年秋冬、Season6に突入した「牡蠣食う研」。報道によると、広島では養殖牡蠣の大量死が伝えられておりますが、今シーズンも、いやむしろ今シーズンだからこそ!みんなで牡蠣を食べて広島の牡蠣関係者の皆様を支えたい。この企画では、牡蠣を愛する広島の著名人の方々や食にまつわる仕事をされている15名の皆様を「牡蠣食う賢者」に認定。賢者が推す「牡蠣がおいしい飲食店とその料理」をドシ!ドシ!!ご紹介して参ります。
広島の夕方を長年支えた
パワーの秘密は牡蠣だった⁉
記念すべきお一人目の牡蠣食う賢者は、フリーアナウンサーの馬場のぶえ様。広島テレビの夕方の情報番組『柏村武昭のテレビ宣言』『テレビ派』で活躍された、広島を代表するアナウンサーのお一人です。実は馬場賢者、牡蠣好きという一面をお持ちのようで…。
私がおすすめするのは、江田島の水産業者さんの直営店です。直営ならではの新鮮で上質な牡蠣をいただけます。また、牡蠣に加えて本格焼肉を売りにしているお店なので、コウネも絶品。そんなこだわりの牡蠣とコウネが夢のタッグを組んだ丼は、贅沢で広島らしさも感じられる一品です!ちなみに蒸し牡蠣も美味しいです!あっ、殻付き生牡蠣も…あ~っ、あとオイル漬けも!あ~、おすすめが止まらない!
牡蠣食う賢者その1 馬場のぶえ/ばば・のぶえ。福井県出身。アナウンサーを目指して上京、日本大学芸術学部に進学。卒業後1997年に広島テレビに入局し、『柏村武昭のテレビ宣言』『テレビ派』などで活躍。2024年秋に退社し独立。著書に『ドタバタかいご備忘録』、『ドタバタアナウンサー回顧録』。RCCラジオ『ばばラジCafe』(土曜12:00~12:30)、広島テレビ『馬場のぶえのひろしま脳トレ』(日曜21:54〜)。好きな牡蠣の食べ方は酢牡蠣。
馬場賢者が熱く推すのがこちら!
焼肉『焼処 うる』の、かきとコウネ丼
福井県出身の馬場のぶえ賢者。福井では牡蠣を食べる機会が少なく、就職で広島に来て、どこの飲食店でも普通に牡蠣料理があることに驚いたそうです。さらに結婚相手の実家は県内有数の牡蠣どころ・廿日市市。正月となれば親族やご近所から牡蠣が届き、「牡蠣入りのお雑煮」「殻付き牡蠣をいきなりレンチン」など、経験のない食べ方に圧倒されました。なかでもお気に入りは、産後の授乳中に義母が作ってくれた酢牡蠣だったとか。
馬場賢者
「義母が作る酢牡蠣は本当においしくて、あれで一段と牡蠣が好きになりました。今では私、『広島一、牡蠣が好きなアナウンサー』を名乗っています(笑)。そんな私が数年前に出会ったのが、この『焼き処 うる』を経営する門林水産さんなんです」
「門林水産」は江田島市の牡蠣生産者。馬場賢者が進行を務めていた情報番組『テレビ派』に、代表の門林一人さんが出演したことがきっかけで知り合いました。以来、門林水産の牡蠣を食べたり、門林さんの思いを聞く機会が増え、そのおいしさや心意気に魅了されていきます。
馬場賢者
「門林さんの牡蠣は、蒸したらぷっくり、生ならつやつや…フライにしても弾力あるし。家ではすき焼きに入れてみたんですが、とにかくどんなお料理にも合うんです。牡蠣そのものに力があるんですよね」
『焼き処 うる』は、そんな門林水産の牡蠣の魅力を消費者に直接届けるため、2025年3月にオープンした牡蠣・焼肉料理店。賢者は仕事仲間とともに何度か訪れ、店の多彩な牡蠣料理をあまねく堪能しています。最も推している「かきとコウネ丼」の魅力を尋ねると…?
馬場賢者
「牡蠣の濃厚な味にコウネの脂が加わって…何でしょう、もう、絶妙です、絶妙!! さらにこの甘辛いたれ! 最後にちょっとピリっとする、この味がいいですね。牡蠣とコウネ両方の旨味がしみ込んだご飯もたまらないです。焼肉や牡蠣料理をいろいろと食べて、締めにいただくことが多いので、小ぶりなサイズもありがたいです」
「コウネ」は、広島県以外だと「ブリスケ」とも呼ばれる、牛の肩と前脚の間あたりの部位のこと。赤身の間に脂身がたっぷりと入り、食べると脂の味わいを存分に感じられます。広島の焼肉店では薄切りを焼いて食べるのがド定番ですが、なぜか県外ではほとんど見かけることのない名物でもあります。
こちらの「かきとコウネ丼」、一見、広島名物の肉と魚貝を合わせただけのようですが、旨さの秘訣は組み合わせにあり。牡蠣の旨味成分はグアニル酸やグリコーゲン、牛肉はイノシン酸やオレイン酸。異なる旨味成分を持つ食材を同時に味わうことで、より複雑で重層的なおいしさが感じられるのです。
江田島市「門林水産」の牡蠣
「うちの牡蠣をできるだけ安く、いろんな人に食べてほしくて。焼肉店にしたのは、夏に牡蠣が売れるイメージがなくて…。お肉なら夏も入りやすいかなと」
父・門林一人さんが育てた牡蠣を、娘の佑美さんと妻の恵さんで調理し提供。家族で営む小さな焼肉店ですが、江戸時代から続く肉卸の「菊貞」で仕入れた肉類を、各テーブルに据えた最新型の無煙カーボンロースターで焼くなど、店作りの隅々にまで門林家の思いが詰まっています。
かきとコウネ丼以外の牡蠣料理は?
殻付き生牡蠣は夏も食べられる三倍体、つるっと食べたい酢牡蠣は小粒、コクのあるバター焼きには中粒、食べ応えを出したい天ぷらは大粒。料理ごとに牡蠣のサイズや品種を細かく選んで仕入れています。これもまた、生産者直営店ならではです。
また、門林水産は先日開催された牡蠣のコンテスト「オイスターカップ2025」に参加。加工品部門最優秀賞を獲得した自家製オイル漬け「がきんちょの恋人」も、『焼処 うる』のメニューとして楽しめます。
オープンして間もないこともあり、メニューは日々研究中。開店当初はコースのみだったのをアラカルトOKにしたり、前日までの要予約で配達弁当を始めたり、試行錯誤しながら進んでいます。変わらないのは、おいしい牡蠣を安心して食べてほしいという思いです。
馬場賢者
「門林さんは牡蠣のおいしさはもちろん、安全性にも気を使っておられます。菌の検査も念入りにしておられるので、牡蠣好きの方はもちろん、牡蠣を食べ慣れていない方も安心して誘えるんです。アナウンサーの後輩と来た時も、みんな喜んでくれました」
単体で食べてももちろんおいしいけれど、別軸のおいしさを持つ主役級食材・牛肉と合わせても、負けるどころか、その旨味を何倍にも感じさせてくれる…これぞ我らが広島県産牡蠣の底力。焼肉と牡蠣の出会いは、運命とすら言えるのかもしれません。ましてや生産者直営ともなれば、新鮮な牡蠣が楽しめること間違いなしです。
さて、こちらのお店は完全予約制です。利用の際は
「牡蠣食う賢者の馬場のぶえさんの推し店と聞いて…」
と問い合わせてみてはいかがでしょうか?
(特に何も起きませんが、馬場賢者の友人になった気分が味わえます)。
今年は不安な話題が続く広島県産牡蠣ですが、出回っている牡蠣は生産者自慢の牡蠣ばかり。たくさん食べて、みんなで応援していきましょう!
執筆:山根尚子 撮影:中野一行
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今回の牡蠣食う研究
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15人の「牡蠣食う賢者」が愛する、広島の牡蠣料理店を紹介したい!