REPORTvol.12

シリーズ【賢者の推し店】牡蠣on牡蠣、重なり合う情熱の味わい、の巻

シリーズ【賢者の推し店】牡蠣on牡蠣、重なり合う情熱の味わい、の巻
牡蠣食う研ではおなじみのこの牡蠣シャツを着た人は…?

生産者、料理人、食品メーカーが一緒になれば絶対新しいことができるはず! (牡蠣食う賢者・楠原雄治)

2025年秋冬、Season6に突入した「牡蠣食う研」。今シーズンも、みんなで牡蠣を食べて広島の牡蠣関係者の皆様を支えたい。この企画では、牡蠣を愛する広島の著名人の方々や食にまつわる仕事をされている15名の皆様を「牡蠣食う賢者」に認定。賢者が推す「牡蠣がおいしい飲食店とその料理」をドシドシご紹介して参ります。

牡蠣への恩返しを熱望する賢者が
牡蠣への恩返しを熱望する賢者が 商品開発パートナーの店を満喫

さて、今回ご登場いただく牡蠣食う賢者は、缶入りドリンクの製造を手掛ける楠原壜罐詰工業株式会社社長・楠原雄治さん。牡蠣食う研の戦闘服ともいえるOysterシャツを着ての登場です!

私たちの会社は明治30年創業で、昔は佃煮や漬物の瓶缶詰食品を製造してて。広島の企業なので牡蠣の燻製やオリーブ漬けも開発して、かなりの量を販売してたんです。つまり牡蠣の恩恵に預かっていたんです。牡蠣にはずっと助けられてきたので、いつか恩返しをしたいと思ってたし、特にいま牡蠣はピンチじゃないですか! 何かできることはないかって、そんな気持ちですよ!

牡蠣食う賢者その12 楠原雄治​/くすはら・ゆうじ。もともとテレビ局でカメラマンをやっていたが楠原家の婿養子に入り、2013年「楠原壜罐詰工業株式会社」5代目社長に就任。2023年には創業時の屋号であった「政之助商店」を復活させ、オリジナル商品の開発をスタート。商品は土産物店や道の駅、オンラインストアなどで購入できる。

牡蠣への恩返しに熱く燃える楠原賢者が推すのはこちら!

『Uluru』の、牡蠣と『カキトマ』のホイル包み焼

出てきた料理を見ると、名前の通り牡蠣をホイルに包んで熱したもの。そこは想像通りですが、ところでメニューの途中に入ってる『カキトマ』って何? それってやっぱり「牡蠣&トマト」ってこと? あ、もしかして、この赤くてイタリアンな感じが『カキトマ』なんですかね?

楠原賢者

「よくぞ聞いてくれました! 実は『カキトマ』は私たちの会社が開発・製造したトマトソースで、この店のオーナーシェフである廣中祐二さんと一緒に作ったんです。1瓶に約8個ぶんの牡蠣エキスを使用してて、すべて国産素材にこだわりました」

こちらは平和記念公園すぐそばにあり、午前中からワインが楽しめる「Uluru」の店主・廣中祐二さんです。

そもそも最初は楠原壜罐詰工業が扱っていた「オイスタージュース」をなんとかできないかというところからはじまりました。オイスタージュースとは牡蠣の濃縮だし汁で、オイスターソースなどの材料。楠原壜罐詰工業は昔から牡蠣の缶詰商品を製造していたので、副産物として牡蠣の煮汁が豊富にあったのです。

楠原さんはオイスタージュースを加工して、まず「広島オイスター」といううまみ調味料を作りました。そして「さらなる新商品を作れないか?」と模索する中で廣中さんと知り合い、『カキトマ』を完成させたのです。

つまり今回のメニューは、牡蠣を使った調味料の生みの親による、模範レシピ紹介でもあるんですね。

この料理、作り方はとってもカンタン。牡蠣の上に『カキトマ』を乗せて、アクセントにほうれん草を少々。それをホイルに包んで蒸せば、あっというまに完成です。

楠原賢者

「まず牡蠣のうまみがガン!とくるんだけど、その後にトマトの味が感じられて、これはベストマッチングですよ。牡蠣もあれだけ熱を入れたのに、あまり縮んでないし。これはワイン呑みたくなりますね~」

牡蠣on牡蠣がおいしくないハズないですよね。『カキトマ』は他にもおでんの味変に使ったり、鍋に足したり、ポン酢と混ぜたりしてもいいとか。もちろんグラタンやラザニアなどに使ってもOK。楠原さんは「これをどう活用するか、料理を作る方のイメージを膨らませる調味料になったと思います」と自信満々で語ります。

牡蠣と『カキトマ』のホイル包み焼以外の牡蠣料理は?

もう一品は『広島オイスター』を使った料理。レバニラならぬ牡蠣ニラに“追い牡蠣”として『広島オイスター』の牡蠣エキスを投入します。

楠原賢者

「こんなにダシって出ます? 牡蠣好きな人は涙出るんじゃないですか。牡蠣の後味がすごいですよ。あと牡蠣って食べたら元気出ますよね。しかもニラ、ニンニク、ショウガまで入ってますから」

これはタレごとホカホカごはんにかけて食べたいところ。新広島名物・牡蠣ニラ丼、ガッツリ系男子のためのパワーメニューとしてどうでしょう?(注:今回紹介した2品はこの取材のために作ったものなので、常に『Uluru』で食べられるわけではありません。食べたい人は予約時に希望を伝えましょう)

呉市音戸『中野水産』の美浄生牡蠣

Uluru店主の廣中さんはお店で使う牡蠣に対しても相当こだわりがある様子です。

「うちは呉市音戸にある『中野水産』の『美浄(びじょう)生牡蠣』を使ってます。この牡蠣は名前の通り、きれいな水で何度も洗浄しているので安全性はもちろん、牡蠣特有の苦味や土臭さがまったくないんです。だから牡蠣のおいしいところだけ味わえるし、すごく“きれいな味わい”が楽しめると思います」

実はこの取材の前日、楠原さんと廣中さんは中野水産を訪問しました。取材に際して生産者の現状を知っておこうと、朝4時半に集合して船に同乗。牡蠣イカダから牡蠣を収穫するところを見学してきたというのです。1月の厳寒の瀬戸内海で、ですよ!

楠原賢者

「いま広島の牡蠣は歴史的不漁と言われて心配してたけど、生産者の人たちは『もうこうなったらやるしかない!』とむしろ前向きで。中野水産を営む中野さん親子もお元気で、逆に私たちの方が元気をもらいました」

廣中さんも初めて見た牡蠣生産の現場に心を揺さぶられたといいます。

「現場は本当に厳しい環境の中で作業されてて。落ちたら死ぬだろうっていうイカダの上で命がけ。そうやって届けてもらった牡蠣なんだから、もっと多くの人に知ってもらわないとと思いましたね。お店でも広島産牡蠣の応援メニューを作って展開していくつもりです」

楠原賢者

「三位一体じゃないけど、生産者さんと、料理する人と、私たち食品メーカーが一緒になったら、絶対新しいことができると思うんです。次は中野水産さんも巻き込んで、『カキトマ』に次ぐ第2弾、第3弾コラボ商品を作っていきたいです!」

ピンチはチャンスで、災い転じて福となす。逆境を跳ね返すため誕生したオイスタータッグはつまるところ、牡蠣on牡蠣on牡蠣。料理も人も混じり合うほど味わいが深まり、うまみが増すのは間違いない。

【牡蠣食う賢者・楠原雄治が推す店】
Uluru ウルル
広島市中区堺町1-1-8 MAP電話 082-233-0322/営業時間 9:00〜17:00/定休 金曜ほか/広島電鉄「土橋」電停から徒歩約5分/カウンター5席(2階テーブル席は6名以上で貸切可能)/最新情報はこちら

★牡蠣の提供時期はシーズンにより異なる/呉市・中野水産の牡蠣を使用

執筆:清水浩司 撮影:福角智江

今回の牡蠣食う研究

15人の「牡蠣食う賢者」が愛する、広島の牡蠣料理店を紹介したい!

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