REPORTvol.8

シリーズ【賢者の推し店】ライバル産地・宮城からやってきた賢者も唸る!畑で育った生牡蠣、の巻

シリーズ【賢者の推し店】ライバル産地・宮城からやってきた賢者も唸る!畑で育った生牡蠣、の巻
「広島は生じゃなくて加熱」というイメージを見事に裏切った「クレールオイスター」

「加熱して食べるのが広島の牡蠣」を見事に裏切った、美味しくて安心な生牡蠣 (牡蠣食う賢者・大坪律子)

2025年秋冬、Season6に突入した「牡蠣食う研」。今シーズンも、みんなで牡蠣を食べて広島の牡蠣関係者の皆様を支えたい。この企画では、牡蠣を愛する広島の著名人の方々や食にまつわる仕事をされている15名の皆様を「牡蠣食う賢者」に認定。賢者が推す「牡蠣がおいしい飲食店とその料理」をドシドシご紹介して参ります。

やっぱり生が最高!
畑で育ったオイスター

さて、今回ご登場いただく牡蠣食う賢者は、広島でフードプランナーとして活動する大坪律子様でございます。

取材でFARM SUZUKIさんのところに来て、「広島で生牡蠣?」って最初は思ったんです。広島の牡蠣といえば、カキフライや焼き牡蠣、加熱して食べるもんだというイメージだったので。それを見事に裏切ってくれたのがクレールオイスターでした。旨味たっぷりなのにすっきりしていて食べやすい。生牡蠣が苦手な人にも、ぜひ一度食べてもらいたい!

牡蠣食う賢者その8 大坪律子/おおつぼ・りつこ。新潟市出身。大手食品メーカー勤務を経て結婚直後から難病を患い、日々の食事の大切さを痛感する。夫の転勤に伴い、仙台や広島などに住み、行く先々で自身の料理教室を主宰してきた。広島市在住のフードプランナーとして薬膳やプラントベース商品の開発やレシピ制作、監修にも実績がある。

と、大坪賢者が熱く推すのがこちら!

FARM SUZUKI養殖場内イートインスペース『FARMER’s KITCHEN』のクレールオイスター(塩田熟成牡蠣)

日本一の米どころ新潟県出身で、大手食品メーカー勤務経験のあるフードプランナーという、「食の賢者」感満載の経歴を持つ大坪賢者。かつて広島に次ぐ牡蠣どころ・宮城県に住んだ経験もあり、牡蠣偏差値も相当高め!そんな大坪賢者のイチオシは、大崎上島の「FARM SUZUKI」の殻付き生牡蠣「クレールオイスター」。大崎上島町といえば、広島県で唯一、船に乗らないとたどり着けない町ですが、広島に移り住んで4年にしてすでにご存知とは。しかし、どういう経緯で?

大坪賢者

「去年夏、『ひろしま食の手帖』の取材に同行して、FARM SUZUKIを訪ねたんです。お話を聞いたら、養殖場に併設している『FARMER’s KITCHEN』で、他のツアーの方々に混じって私たちも食べさせていただくことになって」

塩田跡を養殖池に改造した鈴木隆社長が牡蠣の養殖に取り組むFARM SUZUKI。一番人気は、牡蠣の殻を半分残したものを瞬間凍結したクレールオイスター。新鮮でおいしい牡蠣を一年中好きなときにいただけるのです!

大坪賢者

「実は、生牡蠣は一度あたったことがあって、それ以来苦手だったんです。でも、鈴木さんの牡蠣を食べたら、おいしくて!一般的に広島の牡蠣って甘みが強いんだけど、ミネラルっぽいっていうか。そして身がしっかりしている」

FARM SUZUKIでは、広島で一般的な牡蠣筏を使いません。塩田跡の「畑」を耕運機で耕して土を作り、地下からくみ上げた海水を流し込んで養殖池を作る。そこに、稚貝を入れたかごを沈ませる。徹底した水質管理によって、牡蠣がごきげんに育つ環境を作ります。今シーズン、瀬戸内海では養殖牡蠣の大量死が報道されてきましたが、養殖池への影響は限定的だそう。

FARM SUZUKIのユニークな牡蠣づくり

大手水産卸会社に勤務していた鈴木さん。海産物の輸入に関わっていましたが、マーケットの大きさとダイナミズムにど肝を抜かれました。そして、日本の海産物を海外に売りたいという思いを募らせるように、広島の牡蠣業者と出会い、やがて大崎上島の塩田跡にめぐり合ったそうです。そこで実践したのが、欧米で一般的な、かごを使った養殖方法。

「いい意味で日本の養殖って漁業の延長線上。自然を上手に使って養殖をするけど、欧米では、養殖と漁業は別物の職業。それを牡蠣の本場・広島でもやってみたくて」

と、鈴木さん。エアーコンプレッサーでかごを1日に何度も上げ下げする。太陽光や空気に触れさせる回数を調整することで牡蠣の殻が厚くなり、身が太ってクオリティが上がる。うまみもぎゅっと凝縮する。

「瀬戸内海は自然の恵みが豊富。その中で育っていく牡蠣がもっといい環境で育つように人の手と理論を使うんです」

クレールオイスター以外の牡蠣料理は?

生に感動した、という大坪賢者だが、中でもお勧めしたいのが「塩田熟成牡蠣のアヒージョ」とのこと。FARM SUZUKI特製の牡蠣が、新鮮野菜とともにニンニクが効いたオリーブオイルの海に泳いでいる〜。

大坪賢者

「塩味がしっかりしてて、お酒好きにおすすめ。牡蠣をいただいた後、残った油でパスタをあえたらめちゃうまいんです!今日も買って帰る気まんまんですから」

やおら隠し持っていた保冷バッグを取り出した大坪賢者。鈴木さんもイチオシのこの商品、牡蠣のエキスがジュワーっと油に染み出していてもう最高。一度に二度美味しい、FARM SUZUKIの自信作。

ちなみに、牡蠣以外の魚介類の商品も豊富で、「塩田育ちの車海老のアヒージョ」もあるし、パエリアやピッツァもある。車海老は、クレールオイスター同様、新鮮なうちに瞬間凍結し、生食で食べられるものも。

「池の中に生態系を作るのが大事。トラフグもいるし、ヒラメもコチもいる。畑もよく言うじゃないですか。単一のものを作るより、いろんなものを一緒に育てる方が上手にみんな育つって。それとまさに一緒ですよね」

というのが鈴木さんの考え方。みんな育ってみんな美味しい!そんな中で大坪賢者が激推しするのが車海老。生でも食べられるのですが、グリルを食べて感動したそうです。

「大崎上島に牡蠣養殖の学校を作りたい」と鈴木さんは夢を語りました。広島の牡蠣をグローバル市場で勝負できる商品に育て、地場産業を持続可能なものにするためにも、人材育成が不可欠だという考えに至ったとか。「牡蠣づくり」から「牡蠣をつくる人づくり」へ!

大坪賢者

「科学的に養殖技術を追求し続ける姿勢に情熱を感じました。お話を伺っている時から、楽しんでいるなぁと感じていて、とても羨ましかったです。さらに、技術を惜しみなく共有し、後進を育てることも考えていて、牡蠣づくりを未来へつなぐ強い意志も感じました!」

最後に鈴木さんから。

「瞬間凍結したクレールオイスターなどの商品は、オンラインショップや広島市中心部にある広島上幟ベースでも買っていただけます。でも、大崎上島は素晴らしい場所なのでぜひ遊びに来てください!」

養殖場に併設された小さなスペースで、一般的なレストランとは異なるため予約は必須。まずは公式サイトを確認してくださいね。

【牡蠣食う賢者・大坪律子が推す店】
FARMER’s KITCHEN (ファーマーズキッチン)
広島県豊田郡大崎上島町東野垂水37-2 MAP/営業時間 11:00~16:00/予約制・不定休/竹原港からフェリーで垂水港まで約20分、港から徒歩約20分/カウンター6席テーブル20席/最新情報はこちら

執筆:宮崎園子 撮影:福角智江

今回の牡蠣食う研究

15人の「牡蠣食う賢者」が愛する、広島の牡蠣料理店を紹介したい!

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