本日の取材担当・山根研究員。もちろん牡蠣柄シャツを着用
「やってきました三高港!広島港から船で30分ちょいで到着です」
山根研究員が今回参加したのは、江田島市観光協会様の主催によるフードハンティングツアー「otsukai(オツカイ)」。海と山がある江田島の豊かな自然に触れ、美しい景色を楽しむだけでなく、地域の食材を実際に島内で「おつかい」して集めることで、島で暮らす地域の皆さまとも交流ができてしまうという、江田島との心の距離がぐっと縮まりそうな体験ツアーでございます。ちなみに移動はすべて自転車。三高港から出発できる電動アシスト付きレンタサイクルを使用いたしました。
「総移動距離約15㎞とのことですが、中学生時代体育が10段階評価で2だったこともあるという山根研究員の体力でも大丈夫なのでしょうか?」
「牡蠣食う研さん失礼だなあ。自転車は好きなんで、とりあえず行ってきま~す」
「私、牡蠣なんで自転車乗れないんですよね…港でお待ちしてますね…!」
10:00 装備を整えツアースタート
この日はツアーガイド2名、体験モニター4名で出発
10:10 食材調達1「迫製麺所」のうどん
うどんは1束約100g。しっかりしたコシと天日干しならではの旨味が特長
まずは最初の目的地。三高港から自転車で約5分ほどの位置にある「迫製麺所」でございます。
「これこれ!これを楽しみにしていたんです。『迫製麺所』のうどん。ふだんから見かけたら即買いする大好きなうどん!今では珍しい、完全天日干しで作っている乾麺のうどんなんですよ。作っている方にお会いできるとは!」
作っているのはこのお方
「迫製麺所」の迫 寛和様でございます
「家族代々ここ江田島で製麺をしていまして、僕で四代目です。うどんは二日から三日かけて天日干しにし、仕上がるまで五日くらいかけています。今日はたまたま干していないんですが、今度このツアーで来てもらったら、干しているところもお見せしますよ!」
山を越え谷を越え⁉
生産者さんへ会いに行く
「迫製麺所」ではうどん以外にそばや素麺も作っておられます。ツアーガイドの背中に背負ったリュックに迫様自らうどんをインしていただき、一行は次の目的地へと自転車をひた走らせるのでした。
11:00 食材調達2「寺本水産」の牡蠣
ミルキーで濃厚、春の恵・江田島の朝採れ牡蠣…!
牡蠣食う研的今ツアーのメインディッシュである牡蠣の調達までは、約40分ほどの島内サイクリングを挟みます。しかも一般的なルートではなく、島の山谷を楽しめるヒルクライムということなのですが…。
「ヒ、ヒルクライム…(震え声)大丈夫でしょうか私」
…って思ったけど超キモチイイ!
約40分かけての江田島ライド中に出会った絶景
フードハンティングツアー「otsukai」のもうひとつの特長が、実際に江田島で暮らし、江田島を知り尽くした皆さんがガイドを務めるということ。この日は、江田島在住のサイクリスト・小蔦道雄さんと、1年前に夫婦で江田島へ移住した為政伸彦さんが担当。島内の自転車コースを知り尽くした小蔦さんのプロデュースで、小高い絶景スポットへ寄り道しました。
「普通に自分で江田島散策しても決して思いつかないルートを教えてもらえる、これは贅沢ですね…!電動アシスト付き自転車のおかげで急坂も快適に登れました!」
今回移動した三高エリアの歴史や地形の特長など、江田島の景色を見下ろしながら島の話をし、一息入れたらいよいよ「寺本水産」へ。
江田島市沖美町、内美能エリアに位置する
「寺本水産さんが育てているのは『奈佐美牡蠣』と呼ばれる牡蠣です。江田島と宮島の間に大奈佐美島という島があるのですが、この島の北側の海域のことを奈佐美瀬戸と言うんですね。広島の牡蠣は焼き牡蠣だとか、加熱に向いたものが多いと思いますが、奈佐美牡蠣は生食もすごく美味しいです。あと生産者の寺本さんは声がめっちゃいいです」
生食も、すごく、美味しい!(あと生産者さんは声がめっちゃいい…!)
本当にいい声だった寺本水産の寺本さん
朝採れたばかりの殻付き牡蠣やむき身牡蠣を分けていただいた後、寺本水産様のお話を少し伺うことができました。ここで、牡蠣食う研的に気になっていた質問を山根研究員が直撃!
やっぱり、牡蠣は春ですか…?
「寺本さん!私たち牡蠣食う研では、冬が過ぎたら市場に出回りにくくなる、あまり知られていない春の牡蠣の美味しさを知ってもらうための研究を続けています。ズバリ、春の牡蠣って美味しい…ですよね?」
「知られとらんいうけど、この辺のもんならみんな知っとるじゃろ!牡蠣の旬は春よ。特に3月、卵を持つ前が一番うまいね」
「うちの牡蠣はね、牡蠣苦手じゃ~言う人も食べられるって評判なんよ。東京のほうでうまーもんばっか食べてきた人も驚いてじゃけ。10月くらいから身が入りだして、春は牡蠣のえさになるプランクトンも増えてくるけえ、グっと大きくなる。火を入れても全然縮まんのよ」
寺本水産様が牡蠣を育てる奈佐美瀬戸は、いわゆる清浄海域。条例に定められた塩分濃度や雑菌・大腸菌の低さなどをクリアした、広島県の指定海域なのです。さらに奈佐美瀬戸は、潮の流れが特に強い強流速海域。海の不純物が流れるだけでなく、山から流れてくるミネラルが、牡蠣のえさになるプランクトンを豊富に育てるんですな~。
「清浄海域で育った奈佐美牡蠣の、しかも今が一番美味しい春の牡蠣…!あー、食べるのが本っ当に楽しみです!」
そんなわけで無事殻付き牡蠣を入手しました!
牡蠣殻片手に「ハイ、おつかい」!
釣って、買って、掘って、もいで
食の冒険てんこ盛り
「オススメの食べ方は牡蠣しゃぶしゃぶ」とのアドバイスとともに予定よりもたくさんの牡蠣を特別に分けていただいて、一行はさらなる旅へと向かいます。この後の道中は大胆にダイジェストさせていただくと…。
11:15 食材調達3 魚を釣って~!
恰好だけ一人前ですが丸坊主でした
11:55 食材調達4 お肉を買って~!
知らないと行けない地元の愛され商店「後河内ストア」で買い物
12:35 食材調達5 野菜収穫して~!
地元の農家さんでネギ、カリフラワー、白菜などをゲット
さらにレモン狩りして~!
これで全部の食材が揃った…!
調理場に向けひたすら走る!
島風を感じながらのサイクリングが心地よい
旅のラストはみんなで調理
江田島産春牡蠣の三変化
すべての食材を手に入れた後は、調理&食事タイムにまっしぐら。目指すは沖美町の海に面した宿泊施設「Uminos Spa & Resort」。1階にオープンエアなレストランスペースがあり、ツアーで買い集めた食材をみんなで調理して味わうのが今回のクライマックスでございます。
13:15 着きました!今日の最終目的地
沖美町の宿泊施設「Uminos Spa & Resort」
とりあえず自転車を停め、食事の準備に入ります。階段の目の前はもう一面の海!オーシャンビューにもほどがある抜群のロケーションでございます。
一日かけてみんなで集めた江田島の食材たち。これを今から食べる!
こうして完成した牡蠣料理がこちら
蓋に穴を開けた缶で蒸し焼きにする「牡蠣のカンカン焼き」
「缶を直接火にかけて5分ちょっとで殻が開きます。レモン絞ってもいいけど、何もつけなくても牡蠣の味がしっかり~。これは今度キャンプとかでもやりたい!」
本日の主役・野菜たっぷり牡蠣レモン鍋
「わけぎ、白菜、カリフラワーなどなど生産者さんから頂いた野菜をたくさん入れて、お肉入れて、最後に牡蠣に軽く火を通しました。レモンの酸味が牡蠣と合う!もちろん締めは迫製麺所さんのうどんです」
生産者さんオススメの食べ方「牡蠣しゃぶしゃぶ」
「牡蠣しゃぶはもっとみんなに広めたい食べ方の一つ!実はほかの生産者さんからも、おすすめの食べ方として教えていただいたことあるんですよ。江田島の春牡蠣、さすがの実力で、火を入れたらぷっくらと膨らんでぷりんぷりん。臭みはないのに旨味はあって、控えめに言って最高でした!」
片道およそ15㎞のサイクリング島旅を楽しみつつ、地元の生産者さんの声を生で聞いて食材を調達。江田島の海の魅力、山の魅力、人の魅力に直接触れることのできるアドベンチャーツアー「otsukai(おつかい)」は、3月31日より予約スタートです。食材は季節によって変わるため、春の江田島産牡蠣を味わえるのは4月上旬頃までの予定。思い切り体を動かしながら、春牡蠣の魅力に触れてみたいという方、こちらのツアーに参加されてみてはいかがでしょうか?
撮影:キクイヒロシ
TOUR INFORMATION
otsukai フードハンティングツアー&絶景キャンプ飯
- 参加費
- 10,000円(1名)
- 問い合わせ
- 江田島市観光協会
- 電話
- 0823-42-4871
※本記事では出演者の健康確認をした上で、撮影のため一時的にマスクを外しています。