REPORTvol.4
【シリーズ・春牡蠣食レポ②】業界激震!ギャグ漫画界の鬼才・榎本俊二が画業30年初!?の食レポマンガに挑戦!の巻
“ 生きてる途中で食べました、って感じで牡蠣に申し訳ないくらいおいしいですね…!春牡蠣の生命力をいただきました ” (漫画家・榎本俊二)
「春牡蠣は旨い!」この厳然たる事実を一人でも多くの方に知っていただくため、ここまで取材を進めてきた我々牡蠣食う研。研究者の声、飲食店の声、生産者の声、広島スポーツ界で活躍する牡蠣愛好者たちの春牡蠣体験レポート。そして本研究のいったんの締めくくりは、こちら。これまでにない形で春牡蠣のおいしさを広めたい…という思いを込め、広島県三次市(みよしし)在住の鬼才ギャグ漫画家・榎本俊二先生に、画業30年で初となる食レポ漫画を依頼致しました。
(取材・文/牡蠣食う研 榎本俊二、山根尚子)
え?「月刊アフタヌーン」4月号に「白いカキフライ」が載ってる!
3月某日、まだ肌寒い午前中、牡蠣食う研はJR三次駅前に降り立ちました。広島県三次市は、広島駅から電車で約1時間20分、車では広島市から高速道路で1時間少々行った場所にある山あいの街でございます。鵜飼の街、三次。牡蠣のない街、三次。というかそもそも海がない街、三次。牡蠣ではなくワニが名物の街、三次…(ちなみにこの街でワニと言ったらサメのことでございます)。海から離れては生きて行けなさそうな我々牡蠣食う研が、なぜ、わざわざ三次を訪れたかと言うと。
「着きましたよ~、三次に!」
本日の取材を担当するのは、広島県営SNS「日刊わしら」やタウン情報誌TJ Hiroshimaの編集者でもある山根尚子研究員。実は今回の取材、山根研究員が左手に持っている雑誌「月刊アフタヌーン」4月号で見つけた「作者近況」がきっかけでして…。
「三次市在住のギャグ漫画家、榎本俊二先生が、牡蠣食う研の白いカキフライを食べた話を紹介してくださっています!ほとばしる牡蠣愛広島愛がうれしすぎる…! ぜひとも榎本先生に春牡蠣の試食をしていただき、そのおいしさを漫画化していただきましょう! そうしましょう!!!」
「なるほど。春牡蠣を食べたことがない人においしさを直感的に感じていただく方法として、漫画はありかもしれませんね…」
カランカラーン。待ち合わせ場所として指定された喫茶店『トラジャ』で待っていたのは…。
「牡蠣食う研の皆さん、お待ちしていましたよ!」
エログロナンセンスで知られるギャグ漫画家に食レポ漫画を依頼という暴挙
ここで榎本俊二先生をご存じない方のために説明すると、先生は1968年生まれのギャグ漫画家。『GOLDEN LUCKY』『えの素』などの代表作で知られています。現在は月刊アフタヌーンで『アンダー3』、BRUTUSで『ムアンガ』、ミシマ社 ちゃぶ台で『ギャグ漫画家山陰移住ストーリー』を連載。エログロかつシュールな作風で、特に一部男性ファンから絶大な支持を得ておられます。
「ちなみに榎本先生、春の牡蠣ってイメージありますか?」
「いや、牡蠣は冬ですよね?(きっぱり)」
「何となくですが、牡蠣は冬、というイメージです。寒いとこう、身が引き締まるのかなあと。春に牡蠣!とはまるで思わないですね。うちの場合はだいたい毎年、親戚から牡蠣を貰って家族で食べますが、それも冬ですし。ほとんどはカキフライとかにして食べます。あとは回転ずしで牡蠣入りの茶わん蒸しを食べたりとか…」
「先生、今日はそのイメージを払しょくして帰っていただきたいと思っております!“Rが付く月”と言われる一般的な牡蠣の旬はSeptember(9月)~April(4月)ですが、年末年始の贈答用などの需要が一段落すると、春にかけては飲食店でもあまり見かけなくなります。しかし本当は、牡蠣のうま味成分が最も高まるのは2~4月!産卵前の身が最も良く入った時期の牡蠣は、『春牡蠣』と名付けて愛でるに相応しい実力を備えているのです」
案ずるより食べるがやすし。
春牡蠣に対して半信半疑感の漂う榎本先生にひやひやしつつ、さっそく春牡蠣を食べていただきます。ご用意したのは呉市音戸町「音戸海産」の生食用殻つき牡蠣「かきむすめ」。前日に採れたものを海水に漬けて保存し、三次まで生きたままの状態で運んでまいりました。
さっそく生で食べてみてもらった。榎本先生の反応は…
「そんなわけで、さっそく榎本先生に牡蠣を食べていただきたいと思います!」
生食用殻付き牡蠣×白ワイン。ささ、どうぞ先生!
「はい、ではありがたくいただきます。考えると、生で牡蠣を食べるのもかなり久しぶりですね。生食自体は好きなんですが、子どもがいることもあって家だと大体加熱して食べるので…」
もぐもぐもぐ…
むむむ!
「………いかがでしょうか?(ゴクリ)」
「いや、申し訳ない!」
「…申し訳…ない…?(ゴクリ)」
「なんか、生きてる途中で食べました、って感じで牡蠣に申し訳ないくらいおいしいです…!これまで食べてきた牡蠣って、家で剥いて食べたとしてもどっかクタっとしてるというか、『死んでるな~』って感じがしたもんですが、これはなんか、違いますね! レモン垂らさなくても匂いも全く気にならないですし。シャープでフレッシュ!コクもあってうま味もぼーーーーんと感じますね。そして手前味噌ですが、わが町三次のワインとよく合います! いやー、春牡蠣の生命力をいただきました」
「よかったーーーーーーーーーーーーーーーーーー!では先生、食レポ漫画のほうは…?」
「任せてください。必ずや春のうちに記事が公開されるよう、今から家に帰って構想を練ります!牡蠣食う研の皆さん、ぜひまた三次に遊びに来てくださいね!」
関東から三次に移り住み、今年で在住歴10年。数々の全国誌で執筆しながら、なんとここ7年間(!)は東京にも行っていないという榎本先生。随所に三次のPRを挟み込んでくるその姿に、もう身も心も広島県民、三次市民なのだな~と、我々も胸が熱くなりました。
ついに公開!牡蠣食う漫画劇場
『春牡蠣のすべて』
そんなわけでここからは、鬼才・榎本俊二先生が力の限り描いた「春牡蠣体験食レポ漫画」。春牡蠣を食べた感動を、いったいどのような漫画に落とし込んでくれるのか。おなか一杯お楽しみくださいませ…!
いかがでしたでしょうか?春の牡蠣を食べたことがない方、牡蠣と言えば冬じゃろ!と思っていらっしゃる方にも、榎本先生の受けた衝撃が伝わっていれば幸いです。我々牡蠣食う研も、2021年には、もっと春牡蠣を楽しむ文化が広がっているよう、これからも地道に牡蠣食う道を邁進する所存でございます。
撮影:中野一行 漫画:榎本俊二
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今回の牡蠣食う研究
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