REPORTvol.7

解禁!!瀬戸内海を凝縮した、唯一無二の白いカキフライ 、の巻

解禁!!瀬戸内海を凝縮した、唯一無二の“白いカキフライ” 、の巻

生まれて初めてカキフライを食べた…そんな感じです! (飲食店店主・田中宏幸)

2020年、今冬もスタートした「白いカキフライ」。素材選びから調理工程まで研究に研究を重ねた牡蠣のスペシャリティでございます。そして、そんな白いカキフライの評判を聞きつけ、新たに参加したいという人物が現れました。果たして何者⁉白いカキフライ研究、Season2の幕開けでございます。パカッ!←牡蠣殻が開く音

(取材・文/牡蠣食う研 平山友美 安原英志)

瀬戸内海の深き滋味を
ギュッ!と詰めたカキフライ

牡蠣食う研でございます。突然ですが皆様~、牡蠣~、食べてますかーーーーー?私は今日もいただいております。瀬戸内の海が生んだ至福のカキフライ、白いカキフライをね…!

ザバアアアアアアアアアア

白い衣がまぶしいカキフライ
白い衣がまぶしいカキフライ、今年も水揚げでございます
牡蠣食う研
牡蠣食う研

「生でも食べられる広島の牡蠣を、特別なパン粉でくるみ、さっくり揚げた『白いカキフライ』。従来のカキフライとは一線を画するお味なんですな~、もぐもぐもぐ…」

「牡蠣食う研さん、それじゃ不十分!」

突然現れた平山研究員
突然現れたこちらの女性は…
牡蠣食う研
牡蠣食う研

「あ、あなたは牡蠣食う研メンバーでありながら広島でフードプロデューサーとしても活躍する平山友美研究員(説明的)!一体どうされました!?」

平山研究員
平山研究員

「どうしたもこうしたも、その説明じゃあ白いカキフライの凄さが全然説明しきれていませんよ!ぜひ私から、白いカキフライのポイントを皆様にお伝えさせてください!」

広島が生んだ「白いカキフライ」って?

瀬戸内海をフライの中に閉じ込めたような食べ物…それが白いカキフライ
  • 生でもおいしく食べられる広島県産牡蠣を使用!
  • 油抜けがよくサクサクに揚がる低糖度のパン粉を使用!
  • 揚げ油はラードを使用して低温揚げ!
平山研究員
平山研究員

「従来のカキフライはタルタルソースなどを付けますが、白いカキフライは調味料を何もつけずにいただくのもポイント。海の味だけで食べられる、瀬戸内海をフライの中に閉じ込めたような食べ物…それが白いカキフライなんですよ、牡蠣食う研さん………!」

牡蠣食う研
牡蠣食う研

「だ、代弁ありがとうございます…。ところで平山研究員、私実は悩みがありまして」

平山研究員
平山研究員

「あら、どうしました?」

牡蠣食う研
牡蠣食う研

「こんなにも美味しい白いカキフライですが、現在広島県内で提供しているところはわずか5店舗。もっと広げていきたいんですが、なかなか名乗りを上げてくださるお店に出合えずでして…」

実はこの白いカキフライ、素材選びだけでなく、調理にあたって高い技術と丁寧な温度管理が必要とされることもポイント。店舗で継続的に提供するには、調理技術の獲得、仕入れの確保、店舗でのオペレーションなど、超えなければならないハードルが多数構えているのでございます。果たして、現在提供中の店舗に続く、新たなオイスターシェフは現れるのでございましょうか…。

平山研究員
平山研究員

「それよ牡蠣食う研さん。実は今日、ご紹介したい皆さんがいるんです。なんと、白いカキフライに挑戦してみたいんですって!ちょっと会ってみていただけませんか?」

マーベラスオイスター。何というご都合的な展開でしょう。これぞ飛んで火にいる冬の牡蠣、いや牡蠣がレモン背負ってやってきた、いやとにかく嬉しい知らせでございます…!

「牡蠣食う研さん、初めまして!」

イタリアンバル「LUCIO」の前に立つ3人のダンディ
イタリアンバル『LUCIO』の前に立つ3人のダンディ
牡蠣食う研
牡蠣食う研

「えーと…皆さんは…?」

平山研究員
平山研究員

「ご紹介します。こちら、広島市中区胡町でダイニングバー『ワーズワース』を営んでいらっしゃる、えーと右から…」

男性1
男性1

「店長の田中です」

男性2
男性2

「シェフの重森です」

男性3
男性3

「テナントオーナーの大山です」

牡蠣食う研
牡蠣食う研

「…なるほど初めまして!ところで大山様、私、どこかであなたをお見かけしたことがあるような気がするのですが…!」

大山社長
大山社長

「さすが牡蠣食う研さん。実は私、薬研堀通りにある酒販店『大和屋酒舗』の者でして。昭和26年から流川で商売させていただいているんです」

ああ…あの『大和屋酒舗』の…!

日本の銘酒専門店「大和屋酒舗」
「日本の銘酒専門店」として、日本酒や国産ワインに力を注ぐ

道理で見覚えのあるダンディだと思いました。『大和屋酒舗』様は広島を代表する繁華街である流川・薬研堀エリアの一角で古くから営んでおられる酒販店。地元飲食店にお酒類を卸したり、広島の酒蔵の皆様とイベントを開催したり、地域とともに歩んで来られている有名店なのでございます。聞けば、今回「白いカキフライ」の提供を希望されている『ワーズワース』様は『大和屋酒舗』のテナントで、同じビルの3階にあるのだそうでございます。

牡蠣食う研
牡蠣食う研

「しかし、その大山社長が…なぜまた今回、白いカキフライに名乗りを上げられたのですか?」

大山社長
大山社長

流川のためです。いま流川・薬研堀エリアって、うちの会社も含め、コロナの影響で本当に大変で…。『大和屋酒舗』と『ワーズワース』が入っているビルは薬研堀通りの北端で、3階の窓に何か張ると目立つんです。通りを歩く人に、白いカキフライのポスターやタペストリーを見て貰って、流川でも白いカキフライが食べられるって打ちだしたいんです。この街で面白いことやってるって気づいてもらえたら、街の入口としての役割も果たせるって思うんです!」

熱い…!(冬なので気温は低い)

大山社長の志に貝柱を震わせながら、とりあえず立ち話もなんなので『LUCIO』さんの店内に入ることにいたしました。

まずは作って
食べてみましょう!

「いらっしゃいませ、お待ちしていました」

「LUCIO」のオーナーシェフ、安原英志研究員
こちら『LUCIO』のオーナーシェフ、安原英志研究員

ここ、広島市中区のイタリアンバル『LUCIO』は、広島の白いカキフライ提供一号店。牡蠣食う研メンバーである安原研究員は、2019年夏ごろから日々、試作と研鑽を重ね、こちらのお店で通年で白いカキフライを提供しておられます。

牡蠣食う研
牡蠣食う研

「さて皆様、本日はお日柄もよく、白いカキフライ提供店に名乗りを上げていただき、ありがとうございます。しかしそのためには、まず白いカキフライについて詳しく知り、さらに作れるようになっていただかないといけません。ご存じかどうか、白いカキフライを完成させるまでには細く険しい獣道ならぬ牡蠣道が…(くどくど)」

平山研究員
平山研究員

「まどろっこしいわ。話はいいから、とりあえず作って食べていただきましょう!」

安原研究員
安原研究員

「ですね…!さっそく厨房に行きましょう。実際にお店での提供を目指されるんであれば、これまで1年間やってきた側として、大変なところもそのままお話ししますね。きっとそのほうが本当にご自分の店でできるか考えやすいと思うんで…」

田中店長
田中店長
重森シェフ
重森シェフ

「よろしくお願いします!」

こうして、安原研究員による熱血!白いカキフライ実演が始まったのでございます。白いカキフライの制作手順についてはこれまでの研究レポートでもご紹介してまいりましたので、ここでは4コマ漫画的に駆け足でお届けいたします。

1 牡蠣を剥いて…

生きている牡蠣を剥いて
まだ生きている牡蠣をすぐに揚げる

2 衣をつけて…

食感を左右する衣つけ
食感を左右する衣のつけ方はとても難しい

3 低温で揚げて…

こまめに温度を確認しながら低温で揚げて
揚げ音を聞きながらこまめに温度を確認する

4 余熱でフィニッシュ

まるまるとした白いカキフライ
完成、まるまるとした白いカキフライ

写真で振り返ると一瞬ですが、各工程について、殻つき牡蠣や食材の原価、殻を剥いた後置いておくと牡蠣から水分が出るため都度都度剥くほうがいいということ、使っているパン粉のサイズや選び方、加熱時間や余熱時間の見極め方、牡蠣に火が通った時のラードの音、などなど安原研究員から細かなレクチャーが入り、重森シェフ・田中店長とも深くうなずきながら聞いておられました。

さあ、いよいよ試食でございます!

白いカキフライをスマホで撮影
食べる前にとりあえず撮影

「………………………………………」

真剣な表情で箸をつける重森シェフ
真剣な表情で箸をつける重森シェフ
牡蠣食う研
牡蠣食う研

「い…いかがでございましょうか!?」

「旨い…むちゃくちゃ旨い!」

破顔一笑な重森シェフ
破顔一笑とはまさにこのこと
安原研究員
安原研究員

「あ…ありがとうございます!嬉しいです」

「ザ・料理…。ザ・料理ですね!」

白いカキフライに味わいに唸る田中店長
田中店長も味わいに唸っておられます
田中店長
田中店長

「素材を選んで、パン粉やラードを選んで、それぞれの工程にポイントがあって、全部きちんとしていないとこの味にたどり着かないっていうのがめちゃくちゃよく分かりました」

平山研究員
平山研究員

「実は、この白いカキフライの監修は東京で『とんかつ 成蔵』を営む三谷成藏さんなんです。低温で素材の食感を活かしながら揚げる手法は、三谷さんから教えていただきました」

こちらが『成蔵』の三谷成藏研究員

広島県福山市が生んだ日本一の揚げ師「三谷成藏研究員」
広島県福山市が生んだ日本一の揚げ師でございます
大山社長
大山社長

「知ってます!実はもともと僕、とんかつマニアでして…。『東京とんかつ会議』って本が大好きで、東京行ったら入魂の一食を食べて帰るのがルーティンなんです。秋葉原のあの店とか、小川町のあの店とか…、で、『とんかつ 成蔵』の白いとんかつですよ!僕はヒレもロースも食べていて、大好きなんです!」

牡蠣食う研
牡蠣食う研

「補足しますと、カキフライに使用したパン粉は、糖度が低く、低温で揚げてもサクっと仕上がる特別なものを各お店で取りよせていただいています。白いカキフライが白いのはこのためで、決して白くすることが目的なわけではございません

田中店長
田中店長

「いや、生まれて初めてカキフライ食べた…そんな感じです…。これはぜひ、うちの店でも食べていただきたい…!」

田中店長と大山社長が熱く盛り上がる一方、実際に調理を行うのは重森シェフです。調理の工程を一つ一つご覧になっていた重森シェフは、作り手としてどのように感じられたのでしょうか…?

提供までには
さまざまな困難が!?

食べて美味しいこの白いカキフライ、実際の提供にあたっては、仕入れの問題や原価率、店舗でのオペレーションなどさまざまな問題が立ちはだかります。はたして、それを超えてもチャレンジしたいと思っていただけるものなのでございましょうか。

牡蠣食う研
牡蠣食う研

「見ていただいてお分かりのように、白いカキフライを店舗で通常メニューとして提供するにはなかなか大変なオペレーションが要求されます。調理にあたって、揚げ温度の調整や余熱の取り方など細心の注意が必要ですし…」

重森シェフ
重森シェフ

「そうですね…正直難しそうだなってポイントはたくさんありました。手間もかかりそうですし、ずっとつきっきりで調理しないといけないし。僕自身、料理経験の始まりがステーキハウスで、これまでは牡蠣よりも肉のほうが専門でしたし…。でも、それ以上に…」

「料理人としてやってみたい!って思いました」

やる気に溢れたキラキラな瞳の重森シェフ
やる気に溢れたキラキラの瞳
安原研究員
安原研究員

「おおおおお!そうですか!それは嬉しい…!」

大山社長
大山社長

「オーダーの取り方も大事だね。ファーストオーダーでおすすめして、最初にできたてを食べていただきたいね。数が入ったときにオペレーションできるかできないかが一つハードルになる気はする。安原さんは、オーダーが連なったときはどうしてるんですか?」

安原研究員
安原研究員

「…泣きながらやってます!(笑)でも、僕はそれでもやる価値があると思っているんで

大山社長
大山社長

「安原さん、よかったらこれから連絡を取り合って、いろいろと協力させてください。一店舗一店舗でやるよりみんなで取り組んだほうが、よくなることもあると思うんです」

安原研究員
安原研究員

「え、ほんとですか…?よろしくお願いします!」

大山社長
大山社長

「平山先生、これ広島の日本酒と合わせても絶対面白いですよね。県内の蔵元に、白いカキフライに合いそうな酒を持ち寄ってもらって、安原さんにカキフライ揚げてもらいながらみんなで食べる会しましょうよ! 沿岸部の蔵を何蔵かと、山側の蔵を一つ入れてもいいし…」

平山研究員
平山研究員

「いいですね!」

牡蠣食う研
牡蠣食う研

「ちょちょちょちょちょ!!!!!私を置いて皆さんで盛り上がっておられますが…!これはもしかして、『ワーズワース』の皆さんも、白いカキフライに挑戦していただけることが決定した…って流れでよろしいのでしょうか!?」

「もちろんです!」

仲間入りの証に牡蠣シャツをまとう皆様

こうして、白いカキフライ提供6店舗目として名乗りを上げた『ワーズワース』の皆様。そこには、初めての味に対する深い感動がありました。今後店舗での試作、そして牡蠣食う研メンバーとの仕上がり確認を経て、2021年初頭の店舗提供を目指します。次回更新を楽しみにお待ちください。

そしてこの記事をご覧いただいている広島の飲食店の皆さま…!もしよろしければ、我々牡蠣食う研の仲間となって、白いカキフライにチャレンジしてみませんか?牡蠣…いや下記連絡先までご一報いただければ、我々牡蠣食う研がご案内に参ります。

白いカキフライのメニュー化を検討される広島0の飲食店の方へ

エントリーシートにご記入のうえ下記まで郵送またはご持参ください。折り返し担当者よりご連絡差し上げます。


担当:広島県観光連盟 プロモーショングループ
〒730-0011 広島市中区基町5番44号 広島商工会議所ビル 8階 TEL (082)221-6516

撮影:田頭義憲


※本記事では出演者の健康確認をした上で、撮影のため一時的にマスクを外しています。

今回の牡蠣食う研究

観光客が「さすが広島!」ってうなっちゃうような、驚くほど美味しいカキフライを広島に標準装備(インストール)しよう!

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担当研究メンバー

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